晩鍾、狂ったように木魂するさなかで/ホロウ・シカエルボク
れだけのものは残した…だけど、俺はもっと書くことが出来る、もっと残すことが出来る、それは昔ほど懸命なことではない、でも昔より速度が増しているし、昔よりも楽しいと感じる、生きている間は書き続けていないと、ひとの言葉は本物にはならない、近頃俺はそんなふうに考えるんだ、それは視覚化された鼓動であり、血液の流れるさまであるからだ、記録されるものは、だから、毎日、毎週、毎月、毎年、その在り方を変えていく、出来る限りのことを記録しなくてはならない、俺は同じものであって同じものではない、つまりそれはとても膨大な時間を必要とする自己紹介みたいなものだ、やあ、と、今夜も俺は見知らぬ誰かに話しかける、俺のポエジーのゲ
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