晩鍾、狂ったように木魂するさなかで/ホロウ・シカエルボク
 
い、スナックのスツールに腰を下ろしてカクテルを飲む時間なんてまったくの無駄だし、愛想笑いなんてしようもんなら顔の神経がおかしくなっちまう―手に入れたいものはひとつだった、知りたいこともひとつだった、追いかけたい影もいつだってたったひとつだった、心臓を握り潰すようなポエジーだけが欲しくて毎晩キャンパスノートを塗り潰していた、ラップトップのキーボードは買って半年でAのキーがグラグラし始めた―まあそれについてはただの不良品かもしれないけれど…人生の意味などいまは知りたいと思わない、運命にも、宿命にも用はない、それを知ったところで何が変わるわけでもない、俺は俺のやりたいことを続けるだけさ、そう、やるべきこ
[次のページ]
戻る   Point(2)