口元の汚れた八方詩人のしわがれたバラッド/ホロウ・シカエルボク
いる…人間として生きることに興味はない、だから俺は詩人として生きている、この先に在るはずだ、この下に在るはずだ、運命のやつがどうしても無様に俺を殺すというのなら最後までみっともなくそれに抗うだけさ、俺はずっとそうして生きてきた、そしてそれはこれからもなにひとつ変わることがないだろう、そしてどこか失われた場所で人生の終わりを迎えるとき、人生でもっとも冴えた詩文を書くことが出来るだろう―俺は八方詩人、賢いやつにだけ見える棘を身体中に生やして胡散臭い街を歩く、人間や、運命や、人生そのものにはあらためて語るような価値などありはしない、ならばその中を自由に泳ぐのみさ、人生の価値や意味は、自分で築き上げる以外
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