夜明け前の雨/山人
に寄ろうという。あらかじめ下話をしてあったという事で気さくに店主は妻と会話を始めた。まだ三十代であろうか、若い店主だった。
色んな視力を計測する機械があり、そこに顎を乗せて、こっちが見えやすいとか、ボケているとかの会話をしばし行った。
遠近両用眼鏡を入手するつもりだったが、乱視のものを注文した。
家に戻り、しばらく休んでいたが雑用をすることとした。
前掛をし、仕事を始めるとくすぶっていた思考に徐々に火がついてくる。
なにかを行う前に準備をする、身支度を整える、これをやることで労働への覚悟が決定されるのだ。
ここのところ、早めに眠気が訪れる結果、深夜過ぎに尿意で目覚め用足しに行くこ
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