頭のいい子が幸せになるのは難しい/ホロウ・シカエルボク
 
誰にも言わないでくれ、という言葉で終わるのだった、夢のことも、仕事のことも、という意味だ、彼女は自分のことを誰にも知られたくなかった、いまとなってはそれがなぜなのかわかることはない…両親が死んだとき彼女は十歳だった、もっとも、両親はあまり家に居なかったし、居てもあまり彼女に構うことはなかったから、彼女もあまり彼らをあてにせず、必要最小限の生活は自分で回すことが出来た、だから、両親が居なくなってもそれほど不便なことはなかった、ただ彼らが永遠に帰ってこなくなっただけだった、そしてそれは彼女の生活にとってどちらかと言えばプラスだった、ドロシーは背が高かったからすぐに自分で仕事を探して働き始めた、もちろん
[次のページ]
戻る   Point(3)