老いたペンギンのメモ/由比良 倖
 
ので、躁なのかもしれないとはいえ、経験的に僕の躁あるいは寛解期はけっこう長い。都合のいいことを言っているけれど、僕は、僕じゃないなら、僕を雇わないし、だから僕はどこにも雇われないだろうし、第一仕事に責任を持てないので、あるいは責任を持ちすぎて、結果的に無責任になるので、消去法的に僕は無職だし、でも無職が許されるなら、無職なりに、楽しく生きたいし、同時にいずれは社会的存在になれるだろう、という日々の実感が欲しいので、勉強は何にしろしていくだろうと思う。言い訳するけれど、僕は本当に長いこと参っていて、やせ細っててんかんで倒れ、幻覚と幻聴で別世界にいたし、少しの刺激で心臓が止まりそうで、あまりに動悸が酷
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