まわりくどい話/ただのみきや
 

あわよくば詩そのものへと存在を変換し
幽霊のように微かに淡く
一冊の本からでも匂い立てるものなら
面白いことではないか
そんな企ても「もしも」でしかなく
生きている間になんとかそれを成し遂げよう
などとは全く違い
自殺でもしない限り
終点の見えない日々を生きなければならないのだから
日々増し加わる生の苦悩から目をそらし
本当は明日でも今日でも死んで潰えてかまわない
ただの妄想を
まるで大きな目標や生き甲斐でもあるかのようにして
詩人的気分に浸っている
おそらくはそれが真実でありつまりは
すべてが出鱈目ということだろう
別の人生があったとか
自分が今の自分以上の何
[次のページ]
戻る   Point(2)