まわりくどい話/ただのみきや
 
まで
気ままに行き来も出入りもし
言葉を紡いできた
そこにわたしの知らなかったわたしが在り
鏡の中から語られる世界観や人間観に
時には戸惑いもしたが
こうした詩作の行為は混沌としているようで
むしろ整理に近く
言葉にするという行為は
いかに直観や感性に導かれたとしても
どこか理知的な頭の作業であり
知恵熱を出すような遊びでもあった
時には主張したい何等かのために詩を書いたが
できることならただ詩に急かされて
ただ詩作の欲求に突き動かされて詩を書いていたい
そうして詩中の己の視点で世界を捉え直し
いわゆる現実社会というものから増々逸脱し
自らを詩の中に放流する

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