メモ/はるな
ね。とご婦人が言う。ほんとにそうですね、そうですねえ、とわたしは返すのだ。りんどうはむしろ夏の名残、燃えるような鶏頭、かさかさした葉っぱのワイルドフラワーの色色、へなへなとやさしいこすもすの葉っぱ、われもこうはもう売れちゃいました。夏のおわるころから、あたらしい花屋に居て、やっぱり花を切ったり折ったり、黒いバケツを洗ったりして過ごしている。ここでは、ガラスのかびんもたくさんつかう。壁際に野菜のたねや肥料、植木鉢カバーなんかはあたりまえだとしても、なにに使うかわからない可愛らしい動物の置物もたくさん売っている。このあいだ足もとから天井まである棚にのったそれらをぜんぶ拭きあげてみた、埃とりのクロスは二
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)