詩四編「あるひとによせて」、「木」、「春」、「新鮮なあなた」/ビショプ
きみは木だ
誰も気がつかないが
そのほっそりした腕には
美しい手が花のように開いている
顔はぼくの冗談に赤く染まる
風がきみの緑髪を祝福するために
獅子のたてがみのようになびかせる
そして背の高いきみは永遠に美しい緑に溢れるだろう
「春」
碧い空に染められた雪
溶け出した川
雪柳の林は風に揺れる
すべてが光に照らしだされていて
小鳥たちは葦の岸辺で囁きをかわしている
そして、追憶の中に身を潜めていたあなたが
軽い緑の服を身にまとって帰ってくる
懐かしい美しい日々よ
わたしはふたたび愛することができるだろうか
空の光と風の揺らめきの
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