いつだってそれは過去形で語られるものだろう/ホロウ・シカエルボク
される気がして
休日にラジオから流れるアルペジオは
輪廻について語っているような気がする
もしもそれが本当にあるのなら
俺は次の人生も俺として生まれてきたい
そう思わなくなったとき
きっと俺の今生は終わるのだろう
洗濯物を干しながら
物干竿にもたれて川の対岸を眺めていた
空は曇り気味で
天気予報は翌日からの雨について話していた
無駄なことを考えるのはやめようぜ
人生なんてハナからなんにもないものだ
好きに色を付けていけばいいのさ
それがなんだったかなんて後から考えればいい
生きているうちは永遠を信じる
嘘つきみたいな言いかただけど
もともと褒められた人間で
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