いつだってそれは過去形で語られるものだろう/ホロウ・シカエルボク
直視出来ないほどに眩しいものだ
自分自身を愚弄しながら
人殺しよりはマシって程度の人生を
ウンザリしながら
唾を吐きながら
腐敗した曲がり角に鼻をつまみながら歩く
まだ酒が抜けない連中が
電柱にしゃがみ込んでる
やつらが身体から追い出した昨日を
チャップリンみたいに歩く鳩どもが啄んでいる
仕事のあとの指紋認証は
なかなか俺だと認めてもらえない
世の中はよく出来てる
いつだって誰かがなにかを教えてくれている
長いシャワーですべてを洗い流すまで
抱え込んだものは離れてはくれない
ナーヴァスなほど石鹸やシャンプーを使うようになった
そうしないと誰かに馬鹿にされ
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