世にも不思議じゃない出来事/こたきひろし
、三十代半ばで独身の彼には興味津々の存在だった事はたしかだ。変な妄想をして悶々としてしまう事は一度や二度ばかりではない。
だからといって、下着を盗んだりはしないし、そんな犯罪をおかす勇気はなかった。
母親は言った。
「いえ盗んだなんては言ってませんけど、心当たりはないですか?と聞いたんですが」
その言葉に彼は断言した。
「俺は泥棒なんてしていません、娘さんのパンツなんて知りませんよ。第一、俺は中身にしか興味ないんです。それを包む布なんて欲しくないんだ!」
すると、母親は言った。
「失礼ですけど、貴方には中身は一生無理なんじゃないですか。」
言って続けた。
中身が手に入らないからこ
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