響き/パウロ
上、それからある朝、きみの誕生日だった
しばらく別れましょう、これ以上こんなふうに暮らしていけないわ
ぼくたちは黙りこくっていた
きみは庭に出たがすぐに戻ってきた
もうだめ、あなたに全部話してしまわないと
きみは他の女のことをあげつらうように話し始めた
洗いざらい、何もかもを
相手は背が高く落ち着いた男だった
ある夜、トランプ遊びをしにきていた男だ
最初は公園で、それからぼくたちの家で
ぼくは海岸通でやつをぶん殴ってやった
そんなことをすると、高くつきますよ
やつは帽子を拾い上げると立ち去った
ぼくはきみにさよならは言わなかった
いつかきみを許してあげよう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)