砂漠のともしび/秋葉竹
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と言葉は、
ゆっくり休息を取り、解体されるといい。
そして
そうね
歌うわ
あいも変わらず愛にこだわる人の透き通った嘘、
生きる意味すら見失ったあとの諦めた瞳たちも、
人生最悪のキスシーンのように、歌うの。
なにも
期待せずに
艶めかしい女の人の
白く、細く、長い、指の姿を
おもい描いてしまうことが、
すべてのよこしまな肉体の
悲しみであると告げられたから。
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