君よ、空は明るい/ホロウ・シカエルボク
 
いる
死体のことはまだ誰も知らない
あの子は綺麗な娘だった
あの子は綺麗な娘だった
薄手のワンピースがよく似合っていた
鼻血すら美しかった
俺は夢中だった
夢中だったんだ
君よ、空は明るい


一組の葬列が
飛行機雲のように歩いて行く
蝉の声が鳴り響いて
まるで夢の中のようだ
夏は終わるのだろうか
たくさんの傷を残して
たくさんの叫び声を飲み込んで
僕らはまるで巨大な器で煮込まれてでもいるように
整列した死体を見つめていた
激しい季節には、そうさ
必ず悲しい知らせが届くものだ


その女は少女が着るような着物を着て
道祖神の側でしゃがみ込んでいた
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