次郎狸/北村 守通
 
とやうれしかったこと悲しかったこと、なんでも話して過ごすのが日課となった。

「そうじゃ、お前に名前をつけてやろう。わしは与一郎じゃから・・・お前は・・・次郎!次郎でどうじゃ?」
狸は自分の名前が気に入ったのか与一郎の前をくるくるくるくる、それは嬉しそうに走り回った。その様子を見て与一郎もたいそう喜んだ。

 与一郎が次郎と出会ってから半年も経ったある日。

 いつものように次郎を見送ってさぁ、寝ようかと思っていたときだった。

 コンコンコン・・・コンコンコン・・・

 誰かが戸を叩く音がする。こんな時刻にどうしたものか、と思っていると

「こんばんは。すみません。どな
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