南の島で君は/Lucy
 
も夕日を眺めたみたいに

明かりの少ない島の夜空は
本当にミルクを流したような銀河
たくさんの星が光るので
夏の大三角形もみつけづらい
北斗七星もカシオペアも、
白鳥座だって
夏の北国の海岸で友と見上げたことがある
たださそり座のくるりと曲がったしっぽの先まで
見えたのは初めてな気がした

海も宇宙も繋がっている
時間も
浦島太郎のように時間を飛び超してしまうこともなく
明日にはまた日常の継ぎ目に戻るのだと君は思ってみる

水族館の大水槽に群れを成し
キラキラ光りながらマスゲームのように泳いでいた
うつくしい魚たち
笑った顔に見えるマンタや
ゆうゆうと威厳
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