月の下、ふたつの孤独/ホロウ・シカエルボク
 
ることが楽しくてはしゃいでいたのだろうか?なにかがおかしい。俺は迷った。なぜか、あまり迷う時間はない気がした。優衣のしたことをそのままなぞってみるしかない。でも本当に―?時間に追われ、考えるのが面倒臭くなった。いま思うと本当に馬鹿げたことだが、俺はイチかバチかでそこからダイブした。

 落下のあいだ、いろいろなものが脳裏を通り過ぎた。そこには、不眠症の原因になったのだろういくつかの出来事もあった。そんなことはもう忘れていた。過去は俺から無くなっていた。おそらく、未来もそうに違いない。これが正しい選択なのかもしれない。このまま―そこまで考えたところで、俺は着水した。ゆっくりと川底に着き、反射的に
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