夏休み/こたきひろし
 
は?」
明日から学校だという前日に、既に社会人になっていた一番上の姉から長々と説教された事がある。
高等学校三年の夏休みだった。
当時私が通っていた高校で姉は図書室の管理運営の仕事をしていた学校職員だった。
成績が悪くて素行のよろしくない弟は悩みの種になっていた。
進路はおろか卒業さえ危ぶまれていた私は、姉の立場上迷惑な存在であるに違いなかった。
しかし一家の長女として末っ子の将来について心配しない訳にはいかない様だった。
「このままいったらお前は将来どこかで野垂れ死にするよ。そうなっても姉ちゃん面倒みないからね」
と姉は決めつけた。
何でそんな風に言われなくてはならないのか。血
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