知ろうとするそのときにだけ大きく見開けばいい/ホロウ・シカエルボク
 
ら彼らの動力は懸命さだからだ、強迫観念とも呼べそうな羅列の欲望にさいなまれて、血眼になりながら吐き出している、どうだ、このリズムか、この旋律か、歌おうとしているもののことは、いつだって俺が一番知りたがっている、放電だと例えられたことがあった、それは俺はとても気に入っているよ、放電、まさにそれだ、言ったろ、震えているって―おそらくはそいつらの軌道を俺は書き写そうとしている、言葉による現象の模写だ、その目的により俺の思考は俺の全身をくまなく駆け回る、綴るのに必要なのは決して、頭と指先だけではない、己個人、それすべてが必要になる、そうでなければよく出来た嘘になってしまう、だから俺は、すべての糸が絡まるこ
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