その時刻のことはどうしても思い出せない/ホロウ・シカエルボク
ストは今頃だったっけ?もう学生自分のことなど思い出せなかった、というより、自分が果たして学生だったことがあったのかどうかさえ疑問だった、あの、同じ年ごろの連中と馬鹿でかい建物に半日押し込まれるシステムはいったいなんなのだろう?それが果たして自分になにかをもたらしたのか―?邪魔になっただけだった気がする、ひとつの大きな流れに乗っかることが昔から嫌いだった、俺はそのころからひとりで生きる事ばかり考えていた、用意された程よいハードルを飛んで得意になっている連中を見ると虫唾が走った、たくさんの人間たちが集まる建物の中で、ひとりで過ごせる場所ばかりを探していた、そしてそれはいまでも変わらない―別に、システム
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