身辺雑記と、詩について思うこと/田中修子
? この、文字という限定された何かで、何ができるのだろう。
この文章を衝動的に書き始め、勢いで書き上げて、整合性のとれていない書き物だと思った。自分の原家族とあの兵士の死体たちのことは関係がないはずだ。
けれどもこのように突き上げさせられるとうに書かなければならないことがあったはずだ、と、もう一度読み直すときに、今回の出来事で、いちばん苦しかったときの私を支えたあの室生犀星の書いた詩もまた、戦時中、兵士が死に行くために使われた、というその事実に、私は直面したのだった。
もしあれらの詩がなければ、私は殺人を犯していたかもしれない。あるいはどこかの時点で完璧に自死を遂げていたかもしれない
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