身辺雑記と、詩について思うこと/田中修子
ない。生かされた命と、言葉によって殺された日本の兵士と。
私が使えるのは、古びた言葉たちだ、ということに気づく。
私は結構前に、日本現代詩人会の新人というものになった。私が読んできたものは近代詩でしかない。また小説の文体も明治時代の文豪のものが好きという体たらくだ。
読んだこともない「現代詩」を書けたはずがないという違和感のようなもの。何を評価されたのだろうと自分に問うとき、私に起こった現代的で壮絶な機能不全家族の中での虐待と被レイプ体験のことを、現代というものを強烈に拒否し続けた近代詩の書き方で書いた、ということが評価されたのではないかと思う。
私は古いものが好きだ。
実家では、百
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