身辺雑記と、詩について思うこと/田中修子
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自分と同じ精神状態の友人の二人目を亡くした時、私のなかに大きな火花が散った。あれは怒りだったと思う。
その怒りによって、「生き延びる」という選択肢が加わり、回復に転じたのが6年前だ。それからは心理治療もはかどった。
いまでは、世界はもっと複雑で、たくさんの色と感情に溢れている場所だと知っている。
喜びも悲しみも、花のように淡淡としあるいは苛烈な美しい色も、死体の流す血のように悲惨な色もあることも。
娘を授かったこと。私の体を通して、なにかとても良いものが、わざわざ子宮や膣という、とても狭いところを通り抜け、彼女も苦しかったろうに、血まみれになって泣きながらこの世にあらわれてく
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