本能と理性の境界のあいまいな場所から/ホロウ・シカエルボク
 
け抜き取るぐらいしか能がない、突堤の先で撒き餌をぶちまけるみたいに言葉をばら撒いて誰がなにに食らいつくのかただただ眺めている、そう言う時の冷笑が誰よりも得意なのは特別自慢出来るようなことでもない、だけどスタンスってのは自分には想像もつかないようなところで完璧に語られてるなんてことは別に珍しいことじゃない、俺自身がわざわざ出向いて行ってあれこれと説明するよりずっと効果的な場合だってある、もちろんそれは時には足枷のように俺自身に制限をかけることもあるけれど―気にする必要はないよ、不具合なんて誰にでも生じるものだ、大切なのはそれがどんなふうにそいつ自身のログに記されているかってことだ、嘘つきが多いからね
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