きみからのLINE/ふじりゅう
神経を疑うほど真っ白な画用紙の上で
朗読を続けている
またページがめくられて
1文字を読む度に文字が現れて、驚く
研ぎ澄まされた 刃渡り8センチのナイフで
ありがとうと記したら
お天気お姉さんがひとこと
今週は雨続きと ぽつりささやいた
あめ あられのような メッセージの渦の中
不格好なクロールで泳いでたら
胃にも肺にも雑念がどばどば入ってくる
立ち止まることは出来ない
きみからのLINEは
いつも微熱をもって迎える
無機質なメッセージとのギャップに
悶え苦しみながら
塗り薬のようにてのひらに
せなか
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