ケモノの夜/ホロウ・シカエルボク
の縄のようにのたうつさまからはウツボのような凶暴さも感じられた、俺を食らうつもりなのだろうか?頭らしきものがまるで見当たらないのに―?軟体動物みたいに、あるいはヤツメウナギみたいに、ここからでは判別出来ない位置に頭部を隠しているのだろうか?でもあの動きは筋肉によるものに見える、地球上の生物とはまるで構成が違うものだと考えることも出来る、だが、やつの在り方にはどこか、よく見慣れたもののような気がしてならなかった、そのとき、もうひとつの考えが脳裏によぎった、もしかしたらあれは生きものでもなんでもなくて、そんなふうに作られたおもちゃのようなものなのかもしれないという可能性だ、そして俺はなにもわからなくな
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