ケモノの夜/ホロウ・シカエルボク
 
にも少な過ぎた、天国なのか地獄なのか、地球なのか宇宙なのかさえ判断がつかなかった、オーケー、場所は重要ではない、と俺は結論づけた、重要ではない―もちろん差し当たっての最重要事項は、相変わらず忙しなくのたうちながら俺の方へとやってくるそいつのことだった、俺は今度は前に向かって踏み出してみようとしてみたが、やはり同じように脚はぴくりとも動かなかった、ここに突っ立ってそいつと相対する、それは逃れられないことのようだった、それは逃れられないことのようだ、と俺は脳味噌にメモを取った、それにしてもあれはいったいなんなのだろう?前にも言ったようにそれは断首された蛇のようにも見えたし、出鱈目に操作される縄跳びの縄
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