饒舌なハレーションの朝/ホロウ・シカエルボク
 
来るまでには一時間近くあった、だから俺は駅を出て、どうするべきかとしばらく考えていた、俺がさっき歩いてきた方向から、こちらへ向かって歩いて来る若い女がいた、高校生か、あるいは卒業したばかりか、ともかくそれぐらいの年齢の女だった、少し茶色がかった髪をショートボブにしていた、背は高くなかったが、痩せているせいでやたらすらっとして見えた、俺と目が合うとぺこりと頭を下げて、小走りに駆け寄ってきた、電車、もう出ちゃいましたか、と彼女は聞くのだった、ああ、と俺は答えた、さっき出たばかりみたいだ、ああ、と女は落胆の声を上げた、「この時間、一時間に一回しかこないんですよね」「みたいだね」それから俺たちは少しの間沈
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