ホームスイートホームなんてどこにもなかったから/モリマサ公
 
でもない物語

鏡のなかで
鼓膜ばかりが揺れている
その意味について考えて
窓ガラスの中に
沈んでいくあらゆる熱と光と闇

最高に生きてるすげーアホみたいな瞬間
わたしたちはもうどこだってよかった

かさかさの皮膚を誰かとつなげて結合
美しくしっとりした部分がつながって流動
かなしい部分は地上すべてに残されたそれぞれと融合

髪の毛がふわふわ
風に揺れている間
その意味について考えた

地上では?という疑問符を乗せて電車は走り出し
退屈とは?という定義の中にもスピードがあった

目を閉じる音がたくさんしている

ふらつく足元でガード下を横切る
残さ
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