『架空日記抄』/ハァモニィベル
 
で大流行した、言わば、頭蓋骨で人間を測る占いである。なので世紀後半には、科学から排除された。だが「能力」論の系譜を古代ギリシアから辿ったりする場合に興味深い。
   ◇ 「此の時、アリストレスが骨相学を擁護したので、私が風呂敷からデカルトの頭蓋骨を差し出して見せると、彼は突然号泣した」と、この時の記憶を後日の日記に書いているが、「それは多分、眠る前に『デカルトの骨 死後の伝記』という本を読んだせいに違いない」とも小さく記されている。

○月 □日
  休日。本屋をハシゴして歩く。古書店も見て歩く。本から本へと飛び歩く蝶のようで、自分が莊子だったか蝴蝶だったか分からなくなるが、結局、小知な
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