鳥たちはレクイエムを知らない/ホロウ・シカエルボク
指さした「そこから突っ込んできて、廊下側の窓に激突するの」少女の指に従って廊下側の窓を見ると、廊下側のひとつの窓だけがひどく汚れていた、「そうしてここに転がるの、だからわたしは羽を取ってあげるのよ」やっぱりわからない、とわたしは首を振った「死んだ鳩の羽を毟ることがなんになるの?」少女は不意に真顔になった、本気で言っているのかしら、そう訝ってでもいるかのようにわたしの顔をまじまじと眺めた、「この子たちは後悔するのよ、どうして自分たちは空を飛ぶことが出来たのだろう、って」「だからわたしは羽を毟ってこの子たちに見せてあげるの、ほらね、もう飛ぶことは出来ないわ、って」それは筋が通っているようにも思えたし、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)