鳥たちはレクイエムを知らない/ホロウ・シカエルボク
 
し、通っていないようにも思えた、わたしはなにか絶望的な気分になって、話を変えることにした、「あなたはどこの子なの?このへんの子?」ちがうわ、と少女は言った、「ぜんぶ、ちがうの」そう言って少女は、スカートに溜めていた羽をすべて中空へと放り投げた、つむじ風に舞うように羽はうろうろとして、ゆっくりと床に落ちた―わたしは顔を上げた、そこに少女の姿はもう無かった、早い午後だったはずの窓の外には、インクで塗り潰したかのような闇で覆い尽くされていた。

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