鳥たちはレクイエムを知らない/ホロウ・シカエルボク
るかのような薄いピンク色だった、それだけに、その周辺にあるものがさらにおぞましく思えた、「こんにちは」と少女は言った、わたしも同じことを言った、上手く声が出なかった、ここでなにをしているのか、とやっとの思いで口にした、「きっと、空を飛ぶことが嫌いなの」と、少女は言った、わたしはその意味を上手くつかむことが出来なかった、いいのよ、しかたのないことなのよ、という風に少女は笑って見せた、それはやはり子供のする表情ではなかった、しいて言うなら、二百年は生きてきた魔女がするような微笑みだった、この鳥は、と少女は話を続けた、「わたしが殺したものではないの」こちらの窓を開けておくと、と、少女は外に面した窓を指さ
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