不自然な迷子に関しての思惑について/ホロウ・シカエルボク
て、ぼくは小腸を引き出しているところだった、ギタリストがギターのシールドを整理しているみたいに、長く伸ばして広げていた、ぼくの顔には表情がなかった、どんな理由もそこには存在していないといった感じだった、それが済むと、空っぽになった胴体の奥に手を突っ込んで、イカの背骨を取るみたいに手首を捻りながら脊髄を引っこ抜いた、そしてそれを月明かりにさらしてしばらく眺めたあと、とつぜんすべての興味を失くしたかのように放り出して、丁寧に分けられた内臓と四肢、頭部の側で眠りに落ちた
夢の中のぼくと入れ替わるように目覚めるともう夜明けだった、カーテンのない窓に飛び込んでくる朝陽は途轍もなく暴力的だった、ぼんやり
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