不自然な迷子に関しての思惑について/ホロウ・シカエルボク
 
いまでは何の意味もなさないような小道とかなら話は別だけど、これは、見捨てられるにはあまりにもきちんとしているニュータウンのようだし―が、その道は何の前触れもなく唐突に途切れた、正確に言うと、ある曲がり角を曲がった途端に、眼前には真っ暗な海が広がり、小さな二階建てのコンクリのビルと、小さな船着き場のようなものがあった、漁港なのだろうか?それにしては船は一隻も見当たらなかったし、ビルには非常灯の明かりすら灯されていなかった―死んでいるのだ、迷い込んで何時間も歩いた街に出口はなく、真っ暗な海があるだけだった、ぼくは全身の力が抜けていくのを感じた、こんなところに迷い込んだ自分をつくづく馬鹿だと思った、一刻
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