「ひまわり」/羽衣なつの
 
様が入ったゆかたを来て、ベッドに横になっていた。小さい頃からずっと伸ばしていて「毛先を揃えるだけなの」と自慢していた長い髪を、おさげに結んでいた。「ずっと寝てるから、こうしないと邪魔なのよ」と、麻子ちゃんはいった。

 麻子ちゃんのお母さんが持ってきてくれる、つめたいカルピスをストローですすりながら、わたしたちはいつも、とりとめのない話をした。麻子ちゃんはどんどんきれいになっていった。わたしは麻子ちゃんにみとれながら、学校のことや、先生のこと、友だちのこと、自分の家の話などをした。麻子ちゃんはころころとよく笑った。(そんなに笑ったら、からだに悪いのではないか)と、わたしは気が気でなかった。

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