旧作アーカイブ5(二〇一六年四月)/石村
 
がりの中に投げ出されて
この心細い はかないもの
命は どこまでも
おはることなく つづいてゆくのです


(二〇一六年四月二十七日)




  うつくしい歌


何もすることがなくて
野原にゐた

どこからか
うつくしい歌がきこえてきた

さつきまで
もう死んでもいいかと思つてゐたが
さうでもなくなつた


(二〇一六年四月二十七日)




  透明な疑問


五月になる

あかるい さはやかな風が吹いて
いい日だな
こんな日には 風でゐるのが一番しあはせだ

つらくもなく かなしくもないが
どうし
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