真夜中、旋律のない第一楽章/ホロウ・シカエルボク
かのように思い出す、そう、時間というのは繰り返すものではない、わたしたちは時計のせいで時間について間違った認識を得がちだ、同じ時というのは一度としてない、それは一分一秒、必ず、たった一度わたしたちの眼前を通り過ぎていくものに過ぎないのだ、タイムスケジュールは愚行の極致だ、ただそれだけで人は、同じ一日が始まると考えてしまう、それがどんなに無味乾燥なものであろうと、二度と在り得ないものであるということには間違いがないのに、わたしは瞬間を眺めようとし過ぎるのかもしれない、小瓶の、いま底辺となっている側面にはそんな真実が沈殿しているような気がした、そう、気がした、だからなんだ?確信も、朧げな認識も、すべて
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