生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
く、脳という臓器の問題だ、と考えていた方が、今のところ、話が通じやすいし、じゃあ脳を治すにはどうすればいいか、という話に、心の病や認知の病、という曖昧な病気を、単純に置き換えることが出来て、しかもそれが今のところ、効果的なので、いいことばかりな気がする。もちろん、脳という器質の問題が全てではない。けれども「ストーカーなんて存在しませんよ」と何百回言い聞かせるよりも、精神科の薬を服用させる方が、ずっとずっと効果的だとは思っている。それで不安が薄らげば、仮にストーカーが消えなくても、「まあ、放っておこう。私が苦しまなければ、相手も飽きて去っていくだろう」くらいには思えるようになると思う。それが妄想であ
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