生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
ある。ある、長い散文を書いた後、気晴らしにネットサーフィンをしていたら、驚いたことに、どのサイトのどの文章も、僕の考えを盗んで書いたものだった。僕はよほど「僕の考えを流用するのは構いませんが、僕にひとことそう言ってくれると助かります」とどの人にもメールを送ろうかと思った。常識的に考えて、僕のサイトを見ている人の数は多くないし、突拍子も無い考えなんて滅多に存在しないから、どのサイトに書かれている文章も、大体僕の考えの範疇にあることは、当然のことだ。考えなんて盗まなくても、大体似通った論旨にはなる。人が考えることって、そうそう大きく変わるものじゃないから。でも、そのときの僕には、それが全然分からなかっ
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