生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
構成を祖母は大体把握していたのだけど、あまりに周到に、祖母にだけ気付かれるように活動していたので、誰も相手にしてくれなかった。集団は何のために活動していたかというと、祖母が苦しむのを見て楽しむためらしい。日本全国何処に行っても必ず付いてくる。それで、最初は家の中にいれば、集団は外で物音を立てたりするくらいだったのだけど、その内屋根裏に上って、祖母に悪い念を送るようになったし、霊になって祖母を身体的に苦しめるようになってきて、それでも祖母はもちろん自分が病気だとは思っていなかったし、時々はけろりとしていた。けろりとしていて、さも当たり前のことのように集団や生き霊について話すので、とても妄想には思えな
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