生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
 
てしまうことで、例えば音楽は、殊にデジタル音源は、無意識のうちに、頭に悪影響を与える。そう、例えば基準音が440hzであるだけで駄目だというではないか。本には無意識的に悪意が表れている。それが、僕には見える。本の表紙を見れば、それが既に毒々しい顕示欲に満ちていることが分かる。全ての既製品は、売ることしか考えていない。そういう製品には愛が無い。人は、肉を、殺して食べる、悪い存在だ。それを悪いと考えていない人々は、良心がいかれている。僕には空気の流れが見える。僕には人の感情が見える。僕にはもののいい悪いが明確に分かる。だから僕は元気に生きていける、正しく生きていける。そうやって、寧ろ、妙に堂々としてし
[次のページ]
戻る   Point(4)