生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
 
かった。僕は生きていけるのではないか、と思ったし、体重も少しだけ増え、少しだけ僕は多弁になり、いつも190あった血圧が、130くらいにまで下がった。その間、僕ははっきりと覚えているんだけど、「あ、僕は今、駄目になった」と感じた。それは彼女との小旅行の途中、サービスエリアに立ち寄って、窓辺で外を眺めているときだった。僕はいつものように、斜めに座ったり、テーブルにうつ伏したりしていた。急に、「あ、僕はもう子供じゃないんだ」と思った。急に、まっすぐ座らなければならないような気がした。大人として立ち居振る舞いをしなければ「僕は置いて行かれる」と思った。それまでの自分が急に恥ずかしくなった。それから、僕は駄
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