生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
人が家に来て、ひたすらにやにや笑いながら、写真を切ってはゴミ袋に入れている僕を、部屋の反対側に座って、彼は僕を見たり、見ていなかったりして、そして、それだけで帰っていった。全部捨てた後、一年間寝込んだ。それからパソコンを買ってもらい、僕は書くことに熱中した。毎日毎日書いていた。何と23歳まで、それが続いた。それでも身体は衰弱し、まともにものも食べていなかったから、やせ細って、絶望する時間が増えた。それから、訳あって、僕は恋人と遠い場所で、二年間一緒に暮らした。お酒を飲んで、どこかいろいろ行ったと思うけど、具体的には、どこか行ったことくらいしか覚えていない。ごめんなさい。でも、彼女といるのは楽しかっ
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