音叉/ただのみきや
 
な朝と呼ばれるであろう
           地獄への渡り廊下で

口いっぱいに死んだ詩人たちの歯を含んでいた
真っすぐにあの塔は倒れて来るだろう
  何時何分の位置だろう時がわたしを捕らえるのは



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木漏れ日を蹴って子供たちが往く
キャンディーの包み紙を纏い
静けさは若い母親たちの話声
 過ぎ去る車
遠く 千切れ飛ぶ旗のような 海
       かもめの見つめる場所

 時間は祈りはしない
運命の回りくどさに
亀のように生きたから
鳥のように死にたかった
 誰も見ない
 ビルとビルの隙間
タンポポが綿毛に変わる
    光は見下ろし 
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