知らない道で親し気に話しかけてきた男/ホロウ・シカエルボク
 
ろうとそれはいつも通りに行われなけりゃいけないんだ、何人死んだところで生きてる人間のほうが多い、多数決なら必ずそいつらの勝ちになっちまう、まあ、数の力に価値を見出すのならって注釈はつくけれどね、だけどさ、釈然としねえよ、他人事なら命さえどうでもいいんだって言ってるみたいでさ、なに?犯人はどこに行ったのかって?それがまったくわかってないらしいんだな、なにしろ、間近で顔を見たやつらは全員殺されてるわけだし、騒動になってからはみんな自分の身を守るので精一杯だっただろうからね、どっちへ逃げたのか、どうやって逃げたのか、銃はどうしたのかって、だれもなにひとつ思い出せやしないって話だよ、でもたぶん、大きなバッ
[次のページ]
戻る   Point(3)