『ぼくと猫のフーの冒険』/beebee
ま
す。掴んだ尻尾を離さないように握りながら、一生懸命水をかくと、
やっと底の穴を潜り抜けて、水面に上がることができました。一面
真っ赤なライトに光った掘りごたつの中でした。
「あら、目が覚めた。」とぼくが必死で布団から這い出ると、ママ
が上から見下ろしています。
「違う、違う、これは池の水だよ。」とぼくが言うと、隣で猫のフ
ーも「お母さん、これは池の水です。」とぼくの味方をしてくれま
した。なんて良い奴なんだろうと、ぼくは猫のフーの太い首を抱き
しめながら、
「お前は良い奴だったんだね。僕たちは親友だよ。」と言いました。
でも、すると、猫のフーはニヤリと笑って言うのでした。
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