たまです。/たま
た。
男はどうしても前立腺の病いに悩まされる。
前立腺は精液の精錬所みたいなとこで、これがなかったら男は子孫を残せない。
前立腺肥大とか、前立腺炎症とか、症状はいくつかあるが最悪は前立腺癌だろう。八十過ぎてからの癌であればショックも少ないが、四十、五十代だとかなりショックを受けることになる。
昨年、文芸誌「群像」に、四元康祐の前立腺癌闘病記「前立腺歌日記」が掲載された。「群像」は私の愛読書なのでその連作はきっちり読んでいた。
四元はドイツ在住の詩人だから、その闘病記の舞台もドイツになる。現地で前立腺癌の摘出手術を受けたのだ。
小説としてのその闘病記はあまり高い評価は受けていない
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